最近、とある本を読みました。
代替医療をもう一度見直そう、と言う趣旨のものです。
代替医療というのは「通常医療」、いわゆる病院で受けるような現代医療を指すのですが、
それ以外の医療と言う意味です。
漢方薬、按摩マッサージ指圧、カイロプラクティック、アロマなど多くの治療法があります。
そして「はりきゅう」もそれに含まれます。
一昔前、現代医学と代替医療、両者は相成れなかったのですが、
最近は2つを一緒にする「統合医療」とする考え方が一部に於いて出てきました。
それはそれで素晴らしい事だと思っています。
話がそれてしまいましたが、「プラセボ(プラシーボ)」というのをご存知でしょうか。
主に薬に関して使われることが多いのですが、簡単に説明しますと
「本物のように見えて、有効な成分が全く入っていない偽薬」と言う意味です。
しかしそれを処方されると、あたかも本物の薬のように効果が出てしまうと言うもの。
例えば小麦粉を「風邪薬ですよ」と渡され、信用して飲んだら効果がある。
これが「プラセボ効果」として、広い意味にも使われるようになりました。
その条件としては、
・患者さんが医者(鍼灸師、施術者)を信用、神秘的なものと感じること
・薬を信用すること
・治療の料金が高価であること
と言うことが言われています。
これはその通りだと思います。
医師が変な格好をしていると信用できませんよね。
患者さんがその治療法を信用しなかったら、本当に効くものでも効果が半減します。
これは一般的な薬でもそうでしょう。
風邪薬でも「毒です」と渡されたら、身体に良い反応が出るでしょうか。
また、高価な薬や治療法は「効くような気がする」のもうなずけますね。
さて、その本には鍼灸について
「鍼にはいくつかの種類の痛みや吐き気には効く可能性が有るが、
ほとんどはプラセボ効果以上の効果を見出せなかった。
もしくは現代医療以上の効果はなかった」
と結論付けています。
「効くと言う科学的根拠が何もない」とも書かれています。
ゥ─σ(・´ω・`*)─ン… 科学的根拠か~・・・・・確かに何もないかも知れません。
と、書いてしまうと、同業者の皆さんの怒号が聞こえてきそうな気がしますが、
まあ、それは仕方が無いでしょう。
我々の理論の根幹である「気」だけは「科学的」根拠だけはどうしようもないかもしれません。
もしくは、現代の科学では見つけられないだけなのかもしれませんね。
ま、このことでの解決は当分の間、無理でしょう。
ただ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何箇所も病院を替わっても良くならない症状が、鍼灸でよくなることもあります。
家族に引きずられて無理やり治療に来られた患者さんでも、良くなる方は多いです。
これははりきゅう、現代医学に関わらずよくあることです。
納得できる研究法も多いですが、鍼灸を否定するところの多くで引っかかってしまいます。
この著者が鍼灸を否定するのも、全く理解できないわけではありません。
と言っても、もう少し、ちゃんと検証して欲しいですけどね。
まあ、私が思う鍼灸業界の一番の欠点は、基礎が統一されていないことでしょう。
同じ鍼灸と言っても色々な考え方があり、
表現方法がばらばらで同じ勉強をしていなければ話ができないことです。
そこに現代医学的な鍼灸と古典的な鍼灸があって、余計に事をややこしくしています。
また、底上げも全くなっていないと言わざるを得ないでしょう。
これは鍼灸だけにとどまらず、現代医学界にも言える事なのかも知れません。
医師・鍼灸師と一言で言っても、実力の差はかなりあります。
TVでよく「スーパードクター」なんて放送されるのを目にします。
特に鍼灸師の実力はピンキリなのではないでしょうか。
その点、医師は実力の差があったとしても底上げが徹底されていますから、
これだけの信用が得られているのでしょう。
鍼灸の扱われ方に多少、腹が立ちつつも、自分や鍼灸界を戒めていかなければ。
そんな気になりました。
今回は患者さんにはあまり関係ない話になってしまいましたね。f(^_^;)