鍼灸が敬遠される訳

皆様は何だと思われますか?

・チクチクと痛い(怖い)   ・お灸が熱い(煙がくさい)   ・非科学的

・お年寄りが多く古臭い    ・清潔感が無い

 

021101d(イラスト:すすむてつろう)

 

ま、大体これらが一般的な嫌われる理由です。

 

先日、当院に初めて来られた患者様を治療中の会話です。

 

患者様:「わしゃ、ハリは嫌いなんじゃ」

 

時々、このような事を言われる方がおられ、

多くの理由は上に挙げたものだったのでそのような予想はしていたのですが・・・

 

私:「えっ?でもここ、はりきゅう専門ですよ」

患:「ま、そりゃそうなんじゃが・・・今まで何か所もハリに行った」

私:「(じゃ、好きなんでしょ?)はぁ・・・どうだったんです?」

患:「どこでもそうじゃったが、腰が痛いっちゅうたら腰にハリ、肩が痛いっちゅうたら肩、

足っちゅうたら足にチョコチョコっとしかせん」

 

内心「もっとチョコチョコっとしかしない、

と言うよりもほとんどした感じを受けない当院の治療はどう思われる事やら」と苦笑いの私。

 

私:「一口に鍼灸と言っても、色々とやり方がありますからね。私と同じやり方は近くにないですよ。」

患:「どう違うんかね?」

私:「一般的には運動器疾患を主に扱います。筋肉や神経に鍼を刺して刺激を与え、緊張を緩めるのです。

当院はまず刺しません。また内臓の働きを整え、人間の本来持っている治癒力を引き出します。」

患:「はぁ・・・んで、ワシの腰はどうなっちょるんかね?」

私:「○○さんはこの寒い季節の影響が肝に影響して筋肉が硬くなってしまったのです。

その原因を取り除くのです。そうすると・・・ほら、筋肉が柔らかくなってきましたね。」

患:「はぁ・・・・・そういやそうかも。・・・何でそんなんが判るんかね?」

私:「脈やお腹の状態で判るのです。皮膚の色で判ることもありますよ。」

 

治療を開始して約15分後・・・・・

 

私:「では、今日はこれで良いですよ。」

患:「えっ?・・・・・んで、いつ鍼をするんかね? 埋め込んどるんかね?」

私:「もうしましたよ。身体には刺していませんよ。まだ痛みはあると思いますが、これで良いです。」

患:「はぁ・・・まぁ、少し楽だけど・・・。」

私:「帰宅後、楽になることもあります。今のお身体は良くなる方向に行っていますので大丈夫です。」

患:「はぁ・・・。」

 

そう言って半信半疑で帰られる患者様。

2~3日後に笑顔で来られ、かなり良くなった、と。

この心境の変化を見るのも、楽しみの一つになりつつあります。

 

敬遠される理由の払拭にはなっていないのかも知れませんが・・・・・。

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