8月25・26日に「第24回漢方鍼医会夏期学術研修会 大阪大会」が行われましたので、その報告をします。
私が所属している
大阪漢方鍼医会主催で行われた、
漢方鍼医会の一大イベントです。
場所は
京都御所:
蛤御門の真向かいにある
京都ガーデンパレスです。

歴史に疎い私ですが、長州が時代を変えようと戦った場所。
身の引き締まる思いで会に臨めました。
受付け開始1時間前から準備が始まります。
参加者の動線を考えながら、色々な配布物の配置をしていきます。

参加者が集まり、いよいよ夏期研が始まりました。
まず、大阪漢方の代表であり、今大会の実行委員長:
本田滋一先生の挨拶です。
参加者にとって中身の濃い内容にしていこうと、1年以上前から学術の準備をしていました。
それが挨拶からもにじみ出るように伝わってきました。

本田滋一実行委員長
主題:漢方はり治療の継承
副題:難経脈論に則った季節と漢方はり治療及び陰陽調和の手法
『難経』というのは昔の中国で書かれた、鍼灸にとって大事な理論が書かれた古典です。
それを基にした脈診、そして季節が身体に与える影響を考えながら行う治療を研修する、と言うことです。
脈診を行っている鍼灸師も少ないですが、季節の影響(宇宙)を考えた治療を行っている鍼灸師は皆無と言って良いでしょう。
でも、それが本来の鍼灸の魅力なんですよね。
続きまして、漢方鍼医会会長の
隅田真徳先生による会長講演。
「霊枢に見る補寫法、暦の仕組み、季節の病症論」が話されました。
古典による色々な季節区分、暦を掘り下げた話をされました。
もう少し、季節を臨床応用できる具体的な考え方を聞きたかったですが、論拠を示しながらの発表、会長たる堂々とした内容でした。
ありがとうございました。

隅田真徳会長
続きまして、大阪漢方の森本繁太郎先生による基調講義です。
演題は「素難医学を踏まえた、季節に対する漢方はり治療」です。

森本繁太郎先生(右)
漢方鍼医会が発足して26年経ち、発足当初から会員を続けておられる先生です。
会で行われた学術の変遷、どういった経緯で内容が移り変わっていったのかなど貴重なお話をしていただきました。
この歴史、会にとっては・・・いや、全てに於いてなのでしょうが、大事なのです。
一個人としても歴史がその人を作ります。
私の歴史のなんと薄っぺらいことかっ!
昼食を挟み、パネルディスカッションが行われました。
テーマは「難経脈論に則った季節と漢方はり治療及び陰陽調和の手法」、今大会の副題と同じです。
パネラーは名古屋漢方鍼医会の
齊藤充先生(右)と大阪漢方鍼医会の
藤田剛先生(左)です。


司会:本田滋一先生・尾垣幸枝先生
2年前の夏期研で、齊藤先生・名古屋漢方が提唱された陰陽調和の手法。
身体の中の陰陽を調和させ、バランスを取り身体を改善させるという考えです。
一方、それを咀嚼&研究し、更に人間に必ず影響がある季節の考えを取り入れた藤田先生・大阪漢方。
身体だけではなく宇宙との陰陽を調和させようと考えたわけです。
私もこの考えで日々の臨床を行っていますが、とてもシンプルで理にかなった方法です。
勿論、多くの患者さんに喜ばれています。
お二方共に臨床を交えた、堂々とした発表内容でした。
その後、フロアとのやり取りが行われ、参加者の理解がかなり深まったんじゃないでしょうか。
(2)へ続く。